Masunaga Shingo
University of Turku. Doctoral Candidate

Combination of JACAR and foreign primary sources: case of the research on the interwar Japanese military intelligence in the Baltic states.

The establishment of the Japan Centre for Asian Historical Records (JACAR) enabled us to search millions of primary sources online. On the other hand, in Estonia, digitalization of the materials of the Estonian National Archives (ERA) is proceeding as well. The combination of the newly available online sources created a synergy in terms of the research of the Interwar Baltic-Japanese relationship.

JACAR史料と海外の一次史料の融合:戦間期バルト三国における日本陸軍諜報網の研究における事例

国際関係史における一次史料は各国に分散しており、その調査には多大な費用と手間が要求される。特に旧共産圏(バルト三国を含む)では、史料の整理と開示が2000年代中頃まで遅れ、日本側でも史料のオンライン化は遅れていた上に、所蔵館の分散が著しかった。これらの条件下で、第二次大戦前の日本・バルト三国関係の史料を探すのは非常な困難を伴い、同史の研究が未だに未発達である最大の理由では無かったかと思われる。

しかし、2010年代に入り、日本では「アジア歴史資料研究センター」(JACAR)、エストニアでは国立公文書館(ERA)の所蔵史料オンライン化が進み、エストニアではオンラインでの史料予約システムも確立し、近年の日本・バルト関係史の研究の発展はひとえにIT技術の全面的な導入にあると言える。